雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

■要約≪経営者の条件≫

2019年度も始まりました、よろしくお願いします。

今回もまた、ドラッカーの本になります。

集中的に思考のプロセスを体得しようと読み込んでいるのでご了承ください。。

前回要約した「現代経営」は「組織の成果最大化・経営管理者の役割・社会的責任」について述べられていましたが、今回は「個人」の成果を上げる行動にフォーカスした内容になっています。

タイトルが誤解を招きそうですが、むしろこちらのほうがメンバークラスにも参考になる内容だと思います。

 

 

「経営者の条件」

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■ジャンル:ビジネススキル・スタンス系

■読破難易度:中~高

(プロフェッショナルの条件を以前読んだことがあったので読み解くこと自体は容易でした。体系的にまとまっていて非常によみやすかったです。)

■対象者:成果を出すことに拘りたい方・自分の市場価値を高める行動を知りたい方・組織の成果に関わりたい方

 

 

【概要】

知識労働者が成果を出すために必要な思考・行動プロセスを体系化した本です。

1960年代にこうした体系化をしたことは凄まじいなと思います。。。

ドラッカーが云う成果を上げるためのプロセスは下記です。

 

◆まずは自分がどのような仕事に時間を使っているかを計測・分析すること(第2章 汝の時間を知れ)

 

◆果たすべき貢献・役割についての言語化・棚卸をして行動指針を定めること(第3章 どのような貢献ができるか)

 

◆強みに活かして成果にコミットすること(経営管理者は弱みが露呈せず強みだけ成果に結びつくように配慮することが非常に役割として高い。この視点を持ち合わせることが組織の発展につながる。)(第4章 人の強みを活かす)

 

◆大事な行為のみにフォーカスして労力を投下すること。(第5章 最も大事なことに集中せよ)

 

◆意思決定の概念について。そもそもの行動指針の形成のための礎を体系化。(第6章・7章)

 

 

・組織として大事なのは凡人をもって非凡な成果をなしうる行動体系を構築すること、これこそが再現性があり経営管理者にしかできない素晴らしい営み

・優秀な人が成果を上げるのではなく成果を上げる習慣を持ち合わせて居る人が頑張ることにより組織風土が活性化され自己開発が促進されるスパイラルが形成される。

・成果を持ち合わせる習慣を個々人が習得することは経済的報酬だけではなく意味報酬を求めるようになった現代の労働者が充足するための必要不可欠な行動指針であるということ。

 

 

【所感】

記載内容に違和感はなく、自分の中でぼんやりと抱いていた概念を読み解きながら言語化・整理できたので読み心地は物凄くよかったです。個人の成功自体だけを追い求めることだけではつまらないなと感じているこのタイミングであったので、改めて「自分が組織全体に発揮できる価値は何か・自らの仕事は何に貢献しているのか?」という基本的な問いを問いただしていこうと感じた次第でした。

 

この、誰のための仕事か?誰に対しての役割を自らは担うか?という問いはある時期から持ち合わせたことにより、自分の視界・行動指針が開けた実感があるので印象深いです。(第三章にまとめられています。)

 

※個人的には1960年代に現代の潮流になっているコンピューターについての役割・見解を述べている先見性に畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。

”コンピューターは論理的に素早く処理することができるという強みがあるが、創造性に欠落している、だから人の仕事を置き換えるのではなく補完的な役割を担っていくのだ。”

 

 

以上となります!!