雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

■≪上期総集編≫ 2020年度に読んで役立った本8冊

 

上半期がもうすぐ締まるので、半期に一度まとめて投稿している「読んで役立った本」まとめ特集です。

事業を取り巻く環境・自らのミッションがガラリと本格的に変わった中で、なんとか爪痕を残す、という思いから自分が身に着けるべきスキル・視点に合わせて読む本のウェイトをかけていたなと改めて振り返ります。

また、出来るだけそのジャンルで古典・名著と呼ばれるような所謂「原著」に当たるということを心がけて読むようにスタイルが少し変わりました。読書ペースは落ちるのですが意味を汲み取ろうと頭をフル回転させて、内容を咀嚼・考えるスタイルが一番身になるなと思うのでそうした文脈でチョイスしていると解釈してください。

 

※過去のまとめはこちら

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≪目次≫

・マネジャーの実像

・競争の戦略

イノベーションのジレンマ

・リエンジニアリング革命

MBAアカウンティング

トヨタ生産方式

・問題発見プロフェッショナル

・ノンデザイナーズデザインブック

 

 

 

「マネジャーの実像」

マネジャーの実像 | ヘンリー・ミンツバーグ, 池村千秋 |本 | 通販 ... 

 

 約30名程度のトップマネジメント・ミドルマネジメントを現場取材した中で見えてきた「マネジメントがどのように仕事をしているか・どのような役割を果たしているか?」という観点でまとめた論文です。

カリスマ型のリーダーシップ偏重の机上の空論を真正面からバッサリ切り、「現場で普通に仕事している管理職はどのように仕事を処理しているか」という問いについて理論を形成しながら検証していきます。

大雑把にまとめるとサイエンス(論理のような意味合い)・アート(ビジョンのような意味合い)・クラフト(実践・経験のような意味合い)の3側面のいずれかの本人の強みをテコに、「なんとか組織全体の成果を最大化しよう、ミッションを遂行しよう」と常に試行錯誤しているという実態を説いています。

論文でありながら豊富な事例を基にいろんな角度から論証されている点での骨のある内容になっています。カリスマ型のマネジメントが絶対の解ではないという経験則をうまく理論的にまとめている本で、マネジメントに関与するようになり、個人的にずっとテーマとして置いていた内容に対する答えを示してくれたような本です。

絶版になっており入手困難ですが今期読んだ本の中で断トツで良かったと断言できる本です。

■まとめ記事は下記↓

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「競争の戦略」

 競争の戦略 | M.E. ポーター, 坤, 土岐, 照夫, 服部, 万治, 中辻 |本 ...

 

 

競争戦略・業界間の影響因子について体系的に記述した本です。

内容自体は大学の経営学の教科書レベルでそこまで難しくないです。昨年もまとめているので詳細は割愛しますが、原著を読み解く意味を思い知らされた本です。

マイケル・ポーターの思考・記述の網羅性は天才だといわざるを得ない内容かと。

ロジカルシンキングのトレーニングにもいい内容です。

製造業や上場企業・上場グループ採用案件を担当することが多くなり、「会社の解像度・妄想/打ち手の幅を広げたい」と思い、理論を1から学ぼうと思い立って読み返しました。自社・自分の事業部がどのような5フォースの影響を受けるのか・ビジネスを軌道に乗せるには何が必要か?を自分なりに理論ベースに考えることが出来るようになったのはタイミング的によかったと思っています。

■まとめ記事は下記↓

 

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イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press ...

 

ド定番ですが、実はまだ読んだことなかったので今年のGWに読みました、、笑

大企業(主に製造業)が過去の成功体験・システムにすがり、市場の変化から取り残され一定のサイクルで衰退していくメカニズム・その解決方法を説明しています。

大手企業に新規事業部門を設定して、既存部門と違う尺度で事業の可否を評価していくことで芽をつぶさない等具体的な方法論まで落とし込まれており、著名な企業群がなぜあのような組織構造を取るのか?が理解できるようになります。

事業を複数展開する企業を分析したり、仮説を検証する上ではこのタイミングで学んでおいてよかったなと思っています。

■まとめ記事は下記↓

 

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「リエンジニアリング革命」

リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新 (日経ビジネス ...

機能別組織⇒事業部制組織という歴史的変遷・現在のDXブームはどこから来ているのかを歴史的背景を踏まえて体系的に記述している本です。コンサルが介入して事業再編を0からやり直す際に、どのような手順で物を考えているのか?ということが事例ベースで記述されていて面白いです。

前提を疑い、0から考え直したり事業を拡大させるための最適な組織構造は何であるべきか?といった問いを思考する際に役立った本だなという印象です。教養としてもおすすめできます。

■まとめ記事は下記↓

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 「MBAアカウンティング」

グロービスMBAアカウンティング【改訂3版】 | グロービス経営大学院 ...

 

今更ですが財務会計管理会計を学び直しました、その際にとても役立った本です。

実務に落とし込んで活用できるような構成になっていてわかりやすいです。

「会社を定量的に物を見て、現状把握をすること予測を立てることを論拠立てて出来ないとアウトプットの幅が広がらない」ことに対して課題感を持っており、昨年末くらいからかなり注力しているテーマです。半年くらい実践してようやくまともに芯の食った提案・仮説検証を出来るようになったなと思います。

会計に対して食わず嫌い・アレルギーある方は一度トライしてみるといいと思います。モチベーションが沸かない人は株や投資信託などと絡めて動機付けすればいいかもしれないですね。

■まとめ記事は下記↓

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トヨタ生産方式

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして | 大野 耐一 |本 | 通販 | Amazon

トヨタの黎明期を支えた大野氏が生産管理・トヨタ生産方式の理論を体系化してまとめた本です。

製造業に従事しているわけではないので直接役立たないと思っていましたが、マネジメントやオペレーション管理には転用できる理論・考え方が多くとても学びが多かったです。当該ジャンルの名著「ザ・ゴール」とどちらにするか迷いましたが、こちらの方が製造業やトヨタという会社の深みを理解する補助になる内容なので、よりオススメです。

■まとめ記事は下記↓

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「問題発見プロフェッショナル」

問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」 | 齋藤 嘉則 |本 ...

 

ロジカルシンキング系の定番の本です。

姉妹本の「問題解決プロフェッショナル」を入社1年目の時に読んだきりで、続編をこのタイミングで読みました。命題設定やそもそもの問題を発見・定めることに対して個人的な課題感を感じていたのでチョイスしました。

(解決策やHOWベースで考えてそこの磨きこみで強引に課題解決しようとする癖が抜けなくて、脱却する為でした、、笑)

少し後半は分析・可視化フレームによっているのであまり好きではない部分もありますが、全体感としてはわかりやすく体系化されていて読みやすいです。

■まとめ記事は下記↓

 

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「ノンデザイナーズデザインブック」

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版] | Robin Williams, 米谷 ...

ずっと積読になっていてお盆に読んだ本です。名前の通りデザイナーではない人の為にデザインの基本4原則(コントラスト・反復・整列・近接)の説明・具体的な事例を用いた説明などを豊富な図を基に説明されています。

いつか学ばねばと思っていたジャンルで、問題を把握・可視化して説明したりプレゼン資料を作成する機会が増えてきたのでどうせならこのタイミングでと思い読みました。まだまだ道半ばですが、体系化して自分の考えや意図をストレスなく伝えられるようになる一助になればと思います、、気が向いたらどこかで記事としてまとめます。

 

 

 

まとめは以上となります!!

正直、すぐに実務に役立つ・落とし込めるというよりは後々備えておくとアウトプットの幅が広がる、といった類の読書が多かったと思います。すぐに狙って爆発的な成果を出せるようなタイプではないのは自認しているので、爪を研ぎながら来るべき機会で果たすべきパフォーマンスを出せるようこれからも努めていきたいなーとまとめていながら思った次第でした。

地道にこれからも頑張っていこうと思います!!