雑感

読んで面白かった様々な分野の本を要約しています。主に社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)。

■要約≪旧約聖書①≫

 

今回は旧約聖書を要約していきます。

最も多くの人類に読まれたとされる書物であり、ヨーロッパ社会の起源を知る上では不可欠の本です。道徳哲学として用いられ、思想体系に大きな影響を与えており、ヨーロッパの偉人の書物には宗教に関する知識を前提にした理論が展開されることも数少なく存在します。一度、自分なりに読み込んで世界観・考えを理解してみたいと思っておりました。その分厚さ故に敬遠して後回しにしていましたが、読むべきタイミングと感じたので少しずつ読み進めています。

 

旧約聖書

 

■ジャンル:哲学系

■読破難易度:中~大(物語調なので読み進めること自体はそこまで大変ではないですが、全部で1500ページ程の超大作であり、1週目はとにかく時間がかかると言われます。)

■対象者:・人類の起源について興味関心のある方

     ・宗教の構造・思想に興味関心のある方

     ・ヨーロッパ社会の理解を深めたい方

 

 

【要約】

旧約聖書は短編の物語の詰め合わせとなっております。今回は数回に分けて要約していく中の1回となります。宗教知識に乏しく、読み手の解釈・理解に委ねる部分が多いと思うので簡単な概要を記載し、所感多めで進めたいと思います。

 

■創世記

旧約聖書の始まりであり、非常に有名です。歴史的書物に引用されることも多く、重要文献と言えます。

神が7日間かけて世界を創造したという所から話は始まります。(神はまずは昼と夜の概念を作り、その次に太陽と月・陸と海を作り出した~という話です。)神が直接創造した人類の起源であるアダムイブが蛇にそそのかされリンゴを誤って食べてしまったことで楽園を追い出され、人類の歴史は始まるというフレーズです。子供を産む時の苦労はこの時に神の教えに背いたからとされます。アダムの子供として生まれたカインアベルの物語があり、その家系の物語が後々展開されていきます。※バベルの塔の描写はここで出てきます。

・土地は神から授かりしものであり、「土地の支配・統治を通じて人類を区分する」という封建制の基礎となるような考え方が創世記では言及されています。

旧約聖書における重要人物ヤコブイスラエル、その子供のヨセフなども創世記で登場してきます。ヨセフは夢を見る能力があり、イスラエルから寵愛を受けて育ちます。そして、既に文明を築いているエジプト国の王ファラオと交流をするシーンなどが展開していき、出エジプト記に話が続きます。

 

出エジプト記

イスラエル人は神の一族ですが、エジプトという高度な文明を築いた国に劣悪に阻害をされ続けてきました。暗黒期を経て、イスラエル陣営には神と対話をすることの出来る偉人モーセが登場します。エジプトの王族に引き取られて育つ人生を経ました。

※このあたりの描写・述懐は「王は神の子孫であるから統治し支配する合理的な理由を持つ」という王権神授説に繋がる重要な話です。

・神の教えを授かしモーセを崇めるイスラエル人、イスラエル人は神の使徒であるとされましたがエジプト王ファラオはそれを承諾せず追い出す形に話は進みます。モーセはエジプト国に10の災いをもたらし、海を割りカナンの地を目指していきます。

 

レビ記

・山で神とモーセが対話をし、神から授かったモーセ十戒を丁寧に説明する形で話が進んでいきます。「これさえ守れば神から選ばれイスラエルの子孫は救われる」という代物です。戒律の説明と神への祈りを捧げる儀式に関する描写が大半を占めます。

※尚、レビとは、創世期に出てきたイスラエルの息子の1人でレビの家系は祭司の仕事しかしてはならず、レビ記では祭司関係の律法を神から教わるので、レビという名前を使ってレビ記になっています。

 

民数記

レビ記の1年後の物語で大規模な国政調査が行われます。国家という概念の基礎になるような話が展開されます。神とモーセが対話し、神の教えを実践するように一般市民に支配を働きかけるやり繰りを繰り返していきます。有名なヨルダン川を通過するシーンの直前まで進み、民数記は終了します。

 

 

【所感】

・聖書はあらゆる物語のモチーフとされており、多くのゲームや映画・小説などに借用されているので登場人物名や場面設定に見覚えを感じる場面が多く存在しました。ファイナルファンタジースターウォーズなどは影響を受けているだろうなと感じました。

・ヨーロッパ諸国・アメリカでは代々聖書は道徳哲学教育として重要文献たる位置を占めております。それ故に「○○してはならない」・「○○すべき」という神からの明示が非常に多いのが特徴です。神という権威を作り出し、屈服させることで倫理観を容易に浸透させる役割を持つことが出来るので、統治する為、治安形成の為にとても有用であると言えます。

・個人的に気になったのは局所局所で万物を作りし神であるはずなのに、人間に対する戒律が非常に厳しかったり、特定の生物を排他する思想を持つなど矛盾が生じている点です。自分自身の知識不足が大きいのでもう少し読み進めて全体感を理解しないといけませんが、「信仰心だけで救われる」という世界観ではどうもなさそうだなと感じた次第です。

・宗教全体に言えることですが、主張の絶対性・思想の排他的性質などは支配する側にとっては非常に好都合な性質であり、長らく人類の歴史に影響を与えてきたのは納得だなと思いました。思想や価値基準の相違による争いが人類の大半を占め、その起源を辿っていくと多くは人種宗教の相違によるものなので。

・個人的に面白かったのは遠い東洋のアジア圏の宗教日本の神道にも似たような世界の成り立ちや戒律を説くパートが存在し、恐らく思想が発達するタイミングで文明が交わることはなかったはずなので、別の地域で同じようなことを主張した宗教が同時多発で発生したというのは非常に印象深かったです。

 

以上となります!