今回はヒト組織周りの概略をまとめた本を要約します。
1950年代から現代までのマネジメント理論の変遷を体系的にまとめていて、実務用の本に思えました。まさに新任マネジメントレイヤー用という感じの本です。
「マネジメントの基礎理論」
■ジャンル:人事・マネジメント系
■読破難易度:低(導入として最適です、理論系に明るい人なら2時間くらいで読めるかと。)
■対象者:まずはマネジメントの導入を知りたい方・メンバーを初めて持つ人・改めて組織論に関する研究の変遷を知りたい方
【要約】
元Rの有名な海老原さんの本です。HRmicsによく登場されますね。
課題図書として指定されて読みましたが導入として非常に適切な本に思えました。参考文献を読み込むことでより自分のものにできるような構成になっており、この本を読むことで終えるなというメッセージにも思えます。。
名の通り、マネジメントの基本原則について18人の巨匠(マグレガー・ハーズバーグ等)の理論・実例をもとに現場に即したマネジメントの急所を説いています。
・超基礎的な外発的動機付け・内発的動機付けについて著書では
「内発的動機付けを強化すれば強化するほど人は頑張るようになる。
外発的な動機付けだけで頑張る社員をいかに減らすかが経営の肝。マネジメントの介在価値といえる※内発的動機付けが弱いと必然的に視座は下がるもの」
とまとめています。
実務上でのマネジメントの機会の与え方の難しさについてもまとめられています。
・マネジメントは体系だったものを教えられずいきなり現場で取り組むことになりかねない。日々主体者がインプットをしないとすぐに無能になるし、マネジメント経験積むための導線は会社が設計しないとマネジメントが機能しないことはよくある。
⇒Whatばかり教えてWayを示唆しないで満足するマネジメントは多い
※僕も短期財務・利益を最優先してこのような思考になりかねないなと身が引きしまる項目でした。思考停止を生み、困るのはメンバーなので。
・できるかぎりぎりの線引きの仕事を割り振り意味づけすることが常に肝といえる、あまりにも楽な仕事ばかりでは慢心するし逃げどころを作るような仕事の割り振りの仕方は人の成長を妨げる。目標設定をして管理するだけの上司は意味がない、常にぎりぎりの目標を設定して意味づけをしてナビゲートすること・できるかどうか適切なかかわり方でマネジメントすることが急所と。
・マグレガーのX理論Y理論に対する著者の見解は改めてさすがであると感じた次第です。即ち「X理論Y理論は二者択一の話ではない、どちらがいい悪いではなく時と場面に応じてどちらも功を奏する場合がある。前者は定型業務や緊急度の高いタスクなど、後者は長い目でメンバーの視点を育成する際に肝になる。」
※マネジメントはピッタリな目標設定をすることに急所がある、メンバー個人で意味づけして考えることのできない人は多いため、動機付けも併せて行うことが短期的な成果創出に必要ということですね。
・経営の要望を現場で統合・再現することが現場の管理者(リーダー・マネージャー)の職務であると定義されていますが、その文意の中で統一感のあるメッセージを打ち出すために自社のコア・コンピタンスを理解することが要望されると記載されています。即ち自社の強み・方針を自分なりに咀嚼して自分なりの言葉で翻訳・現場運営に落とし込むことで介在価値を生み出すことが管理者の役割・責任であるということでしょう。
【所感】
既知の内容を改めて内省して使えるように昇華させるような形で読むことができました。このあたりの原理原則は普遍的であり、何度も読み込み実践していき自分なりにアレンジ・体得していくしかないのだろうなと感じました。
また、古典的な原著を読み解き苦労しながら自分なりに解釈・意味づけしていくことは常日頃からより気を付けていくべきと感じました。なぜなら急所を理解して断片的な意味づけ・理解にならないようにするためには、この根っこから理解をしに行くプロセスを習慣化しないといけないからだと考えるからです。(少し抽象的ですね。。)
何はともあれ凄まじい速度で駆け上がらないといけないというのは理解しているので、自分の力でコントロールできる範囲のインプット⇔アウトプットは最大化せねばと考えました。※僕のキャパが組織の成長の天井になりかねないととらえているので。。
以上です!
未知の半期が予測されますが、潰れないように精進します!!