雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

2021-01-01から1年間の記事一覧

■要約≪経済発展の理論(下)≫

今回はシュンペーターの「経済発展の理論」下巻を要約していきます。 下巻は利子の源泉・信用創造のメカニズム・景気循環理論が主なトピックスで、古典派経済学及び上巻で述べたイノベーションのメカニズムを応用し理論展開がなされます。 ※上巻の要約はこち…

■要約≪国の競争優位(下)≫

今回は前回に引き続き、「国の競争優位」の要約をしていきます。 下巻パートは上巻に引き続き国別の分析(日本・韓国・イタリア・イギリス・アメリカ)を行い、その上で企業戦略・政府の産業振興への提言、最後に国別の課題表出・解決策の提言という構成にな…

■要約≪経済発展の理論(上)≫

今回はシュンペーターの「経済発展の理論」を要約していきます。 ケインズと共に現代の経済学(主にマクロ経済学)の基盤を作った経済学者と呼ばれ、景気循環の理論などが有名です。この本はシュンペーターの代表作で上下巻構成になっています。 ■経済発展の…

■要約≪国の競争優位(上)≫

今回はマイケル・ポーターの「国の競争優位」を要約していきます。 「競争の戦略」・「競争優位の戦略」と並んでポーターの代表的な著作となっており、前述2冊の考察で用いた分析手法(5フォース・バリューチェーンなど)を産業・国家レベルに応用して国毎の…

■要約≪職業としての政治≫

今回は前回に引き続き、マックス・ウェーバーの著作を要約していきます。 「職業としての政治」という職業人として政治を行う人に求められる倫理観・振る舞いを説いた本です。「職業としての学問」と同様、第一次世界大戦直後の混乱を極めるドイツにおいて青…

■要約≪職業としての学問≫

今回はマックス・ウェーバーの「職業としての学問」を要約していきます。 実は3年程前に読んだことがあるのですが、何を言わんとしているのかわからず消化不良になった本です。タイトル通り、職業人として学問をするにあたり持つべき価値観を説いた内容です…

■要約≪国家(下)≫

今回はプラトン著の「国家」下巻を要約していきます。 下巻は「哲人統治」を理想とした国の統治の在り方・魂の在り方としての「正義」について説いています。上巻の内容を踏襲しながら、具体・実践的な話に広がっていきます。 ※上巻の要約はこちら。 ty25148…

■要約≪管理会計・入門≫

今回は有斐間アルマシリーズの「管理会計・入門」を要約していきます。 経営管理の定量的な側面を支える分野として発達してきた歴史があり、どこかで体系立てて学びたいなと思っていたのでこのタイミングでチョイスしました。本社スタッフ及び本社経営陣が何…

■要約≪GMとともに≫

今回は「GMとともに」という著作を要約していきます。 自動車メーカーGMを偉大な企業に成しえたアルフレッドP.スローンの自叙伝です。 デュポンと共に事業部制を採用して、偉大な成果を成し遂げた企業であり、「組織は戦略に従う」でもこの点は詳細に記述さ…

■要約≪国家(上)≫

今回はプラトンの著作「国家」の上編を要約していきます。 ソクラテスが「人間の魂の在り方とは?」「国家の在り方とは?」「正義とは?」といった根源的な問いについて考察した様を記述した本です。今に通じる話も多く記述されており、偉大さが伺える本です…

≪上期総集編≫2021年度に読んで役に立った本9冊

今回は半年に一度まとめている「読んで役に立った本」シリーズとなります。 この上半期は昨年から掘り下げてきた経営学、特に産業組織論に関する代表的な著作を中心に読み進めながらビジネス教養としての会計・ファイナンス・歴史的な教養を深める意味合いで…

■要約≪起業のファイナンス≫

今回は「起業のファイナンス」を要約していきます。「コーポレートファイナンス戦略と実践」を読み、スタートアップに纏わる資金調達について興味関心を持ち理解を深めたいと思ったので、このタイミングでチョイスしました。事業計画の作り方やVCの仕組みな…

■要約≪市場と企業組織≫

今回は「市場と企業組織」を要約していきます。著者のウィリアムソンは2009年にノーベル経済学賞を受賞しており、「組織経済学」という学問領域を大成させた人です。バーニーの「企業戦略論」の参考文献に本書が記載されており、いつかは読んでみたいと考え…

■要約≪経済学・哲学草稿≫

今回はマルクスの「経済学・哲学草稿」を要約していきます。19~20世紀の世界の形成に大きく寄与した思想家であり、危険思想ばかり着目されますが哲学及び経済学における立派な大家だと思います。この著作はマルクスがパリにいた若手時代に経済学や政治、宗…

■要約≪コーポレートファイナンス 戦略と実践≫

今回は「コーポレートファイナンス戦略と実践」を要約していきたいと思います。大学時代は経済学部に所属していたため、ファイナンスについては一度勉強したことがあるのですが、理論や公式を学んだだけで、企業活動にどのように影響してくるのかについて理…

■要約≪プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神≫

今回はマックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を要約していきます。 比較宗教社会学研究の大家である氏の代表的な作品と言われています。 経営学について学び直しをする中で、経営学の土台となる資本主義の浸透・発展の歴史…

■要約≪組織は戦略に従う≫

今回はアルフレッド・D・チャンドラーの「組織は戦略に従う」を要約していきたいと思います。邦題はとても有名で「組織は戦略に従う」という言葉が独り歩きしていますがその元となる本です。 集権型組織(≒機能別組織)⇒分権型組織(≒事業部制組織)の歴史的…

■要約≪組織行動のマネジメント 後編≫

今回は「組織行動のマネジメント」要約後編となります。 前編は組織の中における個人の役割について要約しましたが、後半は本書の後半半分を占める組織の中の集団・組織のシステムについて要約していきます。 ※参考※ 前編の要約 「組織行動のマネジメント」 …

■要約≪企業とは何か≫

今回はドラッカーの「企業とは何か」を要約していきます。 1946年に著された本であり、主にアメリカ経済・GMのケーススタディーを題材にして、分権制(事業部制組織)の効用・民間企業が社会に果たす役割について言及した本です。 「戦時経済から平時経済へ…

■要約≪財務3表一体分析法≫

今回は会計分野の「財務3表一体分析法」を要約していきます。 学生時代から会計学に苦手意識があった自分ですが、武器として決算資料などを読み解いて企業理解や企業の意思決定を向上させたいという思いから学び直しをしています。 姉妹作の「財務3表一体理…

■要約≪組織行動のマネジメント 前編≫

今回はスティーブンP.ロビンスの「組織行動のマネジメント」を要約します。 組織行動学(OB)の代表的な教科書と言われており、MBAのテキスト等にも用いられている本です。 「組織行動学の定義」・「組織の中の個人」・「組織の中の集団」・「組織のシステム…

■要約≪企業戦略論(下)≫

今回は、ジェイB・バーニーの「企業戦略論」三部作の下編を要約していきます。 主に全社戦略について扱っており、代表的なトピックスとしては「戦略的提携」・ 「多角化」・「多角化戦略の組織体制」・「合併買収」・「国際戦略」となります。中編でフォーカ…

■要約≪科学的管理法≫

今回はフレデリックW・テイラーの「科学的管理法」を要約していこうと思います。 19世紀に著された本で、この本については誤解があまりにも強い影響力を発揮しており「人を機械のように扱う」悪の理論だという見解が言われる本です。実際は現代経営・マネジ…

■要約≪ザ・プロフィット≫

今回はビジネスモデルを題材にした本を要約していきます。 23種類のビジネスモデルについて師匠と弟子の対話形式でまとめられた本で、似たような毛色の本としては「ザ・ゴール」や「クリティカルチェーン」などが挙げられます。 様々な顧客のビジネスモデル…

■要約≪企業戦略論(中)≫

今回は、ジェイB・バーニーの「企業戦略論」三部作の中編を要約していきます。 上巻はVRIOの概念(競争優位が成立する戦略の条件「価値」「希少性」「模倣困難性」「組織」の4要素)やケイパビリティに代表されるリソース・ベースト・ビューのような本書全…

≪下期総集編≫2020年度に読んで役にたった本8冊

今回は半期に1回のまとめシリーズです。 早いもので、2018年度から行い通算6回目のシリーズになっていました。 自分なりに取得したい知識分野や、自分に必要な本の類が体系化出来てきたので似たようなテーマ感のものを好んで読んだ印象です。 ※過去のまとめ…

■要約≪MBA 定量分析と意思決定≫

今回は久々にグロービスMBAシリーズを要約します。 「定量分析」に特化した内容になっていて、統計的なものの見方や具体では損益分岐点分析・KPIなどのテーマを取り扱っています。算数的なものの見方を養うという意味で、収益責任を伴う部署で仕事をする人に…

■要約≪企業戦略論(上)≫

今回は、ジェイB・バーニーの「企業戦略論」三部作を要約していきます。 海外MBAの経営戦略のテキストにも指定されている本であり、2000年前後に著された本ながら既にこの分野の決定版ともいわれるような本です。 ポーターの「競争の戦略」・「競争優位の戦…

■要約≪組織設計概論≫

今回は波頭氏の「組織設計概論」について要約をしていきたいと思います。 この人の本は「戦略策定概論」とセットで有名で戦略と組織は主従関係にあるという共通したメッセージを持ちます。 よくある組織論というよりも、組織は会社全体においてどのような役…

■要約≪コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント PART8≫

今回も「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」シリーズを要約していきます。いよいよ、コトラーシリーズの要約はおしまいとなります。 最後のPART8は「マーケティング観点で長期的成長を如何に実現するか?」を説いています。具体的に取り扱う…