雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

2022-01-01から1年間の記事一覧

■要約≪戦略サファリ≫

今回はヘンリー・ミンツバーグの「戦略サファリ」を要約していきます。 「マネジャーの実像」という本が有名な経営学者で、戦略サファリは戦略論を10に分類しそのアプローチの特徴や相互作用について体系化した本です。図鑑のようなもので、個別論点の深堀は…

■要約≪法の精神 第六部≫

今回はモンテスキューの「法の精神」を要約シリーズその6となり、最終回です。 「法の精神(下)」の収録内容で、第六部は主に「フランス封建法」にフォーカスしていきます。 ※参考 過去の要約※ ■要約≪法の精神 第一部≫ - 雑感 (hatenablog.com) ■要約≪法の…

■要約≪帝国主義≫

今回はレーニンの「帝国主義」を要約していきます。 ロシア革命を推進し、社会主義国家ソ連を打ち立てたことで有名な氏ですが、本書は社会主義への移行正当化の為の理論土台としての資本主義研究(この時代は資本主義が加速し、帝国主義のフェーズに到達して…

■要約≪経済原論≫

今回は宇野弘蔵氏の「経済原論」を要約していきます。 マルクス・エンゲルスの「資本論」からイデオロギーに関する言及(社会主義思想)を取り除き、経済学のエッセンスを抽出し要約した内容となっております。資本論は膨大な記述量の本なのですぐに手を出す…

■要約≪法の精神 第五部≫

今回はモンテスキューの「法の精神」を要約その5となります。 ここからは「法の精神(下)」の収録内容で、第五部は主に「宗教と法律の関係性」にフォーカスしていきます。 ※参考 過去の要約※ ■要約≪法の精神 第一部≫ - 雑感 (hatenablog.com) ■要約≪法の精…

■要約≪外交談判法≫

今回はカリエールの「外交談判法」を要約していきます。 カリエールはフランスでルイ14世が治世を収める栄華を誇った時期に外交官として名を馳せた人です。外交官という職業の専門性を見出し、そこに求められる仕事の能力及び資質を端的にまとめた内容が本書…

■要約≪法の精神 第四部≫

今回はモンテスキューの「法の精神」を要約その4となります。 ここまでで「法の精神(中)」が終了となります。第四部は「商業行為と政体及び法律の関係」について言及していくパートになります。 ※参考 過去の要約※ ■要約≪法の精神 第一部≫ - 雑感 (hatenab…

■要約≪功利主義≫

今回はJ.S.ミルの「功利主義」を要約していきます。 ベンサムと並び、功利主義という哲学思想を発展させた代表的な思想家です。経済学に対しての造詣も深く本書は「自由論」と並び氏の代表作です。最大多数の最大幸福を目指す功利主義は目先の快楽追求に満足…

■要約≪雇用、利子および貨幣の一般理論(下)≫

今回はケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」要約下巻編です。 マクロ経済学の創始者で、大きな政府を推奨する経済理論の体系化・政策提言をしました。金融政策・財政政策・貿易理論・公共経済学の学問発達に寄与し、フロー/ストックの概念や景気循…

■要約≪旧約聖書③≫

今回は旧約聖書要約シリーズその3となります。 バビロン捕囚が終わり、エルサレムへ帰還し神殿や国を復興させていく過程の記述やこれまでの書物のハイライトをまとめた歴史書・詩が主な構成となっています。ペルシア王国・アッシリア王など有名な中東地域の…

■要約≪法の精神 第三部≫

今回はモンテスキューの「法の精神」を要約その3となります。 ここから「法の精神(中)」になります。第三部は「風土の性質が法律に与える影響」について言及していくパートになります。 ※参考 過去の要約※ ■要約≪法の精神 第一部≫ - 雑感 (hatenablog.com)…

■要約≪文明の衝突≫

今回は「文明の衝突」を要約していきます。 冷戦以後の国際関係(ソ連崩壊・西欧中心主義の崩壊)を整理し、未来予測した本です。21世紀に中東地域で発生した紛争など一部の事実を予言したとして定期的に話題にされる国際政治の本です。 ■文明の衝突 ■ジャン…

■要約≪雇用、利子および貨幣の一般理論(上)≫

今回はケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」を要約していきます。 上下巻構成で今回は上巻を扱います。ケインズはマクロ経済学(≒ケインズ経済学)の創始者であり、アメリカのニューディール政策を始めとした20世紀半ば頃までの世界各国の経済政策…

■要約≪法の精神 第二部≫

今回はモンテスキューの「法の精神」を要約その2となります。 第二部の要約で、ここまでで法の精神(上)が終了します。第二部は各国の歴史を紐解き、国防・公民の権利・政治的自由・租税制度などについて言及していくパートとなります。 ※参考 第一部の要約…

■要約≪法の精神 第一部≫

今回はモンテスキューの「法の精神」を要約していきます。 三権分立論で有名なフランスの哲学者で、「ペルシア人の手紙」や「ローマ人盛衰原因論」と並んだ氏の代表作です。「法の精神」は上中下巻の三部作で六部構成となっております。今回は第一部を要約し…

≪上期総集編≫2022年度に読んで面白かった本7冊

今回は半年に1度まとめている「読んで面白かった本シリーズ」です。 「世の中を形作るシステムを理解したい」という好奇心から最低限の心得のある経済学をベースに古典を中心に読んできました。歴史的偉人の書物を頑張って理解しようとすることで、偉人に稽…

■要約≪旧約聖書②≫

今回は旧約聖書要約シリーズその2となります。 モーセの十戒に忠実に運営をするイスラエル王国の歴史を紐解いていくパートとなります。有名なヨシュア・ダビデ・ソロモンなどが登場してくるのも特徴です。「唯一神を信仰する」という宗教の根底に流れる思想…

■要約≪人口論≫

今回はマルサスの「人口論」を要約していきます。アダム・スミス、リカードと並び古典派経済学の雄であり、本書で展開される人口と食物の関係についての考察が有名です。テーマも身近であり、マクロ経済学は勿論、国際政治学や貿易理論にも展開される内容な…

■要約≪完訳統治二論 後編≫

今回はジョン・ロックの「統治二論」の後半を要約していきます。別名、市民政府二論です。後編は人権に関する考察が中心で、議会制民主主義の基礎となる考え方が展開されます。政治学のエッセンスを理解したい場合、後編を読むだけで十分だと思います。 ※前…

■要約≪方法序説≫

今回はデカルトの「方法序説」を要約していきます。 「われ思う、故にわれあり」という有名な言葉を残した中世の哲学者の代表作です。ギリシャ哲学・スコラ哲学への論評やガリレオ・ガリレイの地動説に関する論争など時代背景が浮き彫りになる本で、時代背景…

■要約≪経済学および課税の原理(下)≫

今回はリカードの「経済学および課税の原理」要約その2となります。下巻は課税原理中心の内容となっております。課税は「政府の収入源であり公共サービスの提供に不可欠でありながら、過度な徴収は市場活動(民間セクター)を阻害する」という難しさがあり、…

■要約≪完訳統治二論 前編≫

今回はジョン・ロックの「統治二論」の前編を要約していきます。別名、市民政府二論です。本書は二部構成となっており、前編は当時の政治学の根幹を成していた王権神授説を聖書を引き合いに出して、否定していくパートです。尚、公民の教科書に記述されるよ…

■要約≪科学革命の構造≫

今回は「科学革命の構造」を要約していきます。 パラダイムシフトという言葉は誰しも聞いたことがあると思いますが、その言葉を社会に大きく知らしめるに至った本です。著者は物理学に造詣の深い科学史の学者です。自然科学という学問の構造や対峙する者に求…

■要約≪旧約聖書①≫

今回は旧約聖書を要約していきます。 最も多くの人類に読まれたとされる書物であり、ヨーロッパ社会の起源を知る上では不可欠の本です。道徳哲学として用いられ、思想体系に大きな影響を与えており、ヨーロッパの偉人の書物には宗教に関する知識を前提にした…

■要約≪組織の経済学 Ⅵ部~Ⅶ部≫

今回は「組織の経済学」要約その3となります。 3回目の今回は6部~7部を扱い、今回で終了となります。 6部は「資金調達:投資・資本構成・コーポレート・コントロール」について、7部は「組織のデザインとダイナミックス」をテーマとしています。資本配分によ…

■要約≪銃・病原菌・鉄(下)≫

今回はジャレド・ダイアモンド氏の「銃・病原菌・鉄」を要約していきます。 文明間の競争の雌雄を決した三要素「銃・病原菌・鉄」に着目して、人類の歴史を紐解いていく構成になっています。下巻は中国・オーストラリア大陸・南北アメリカ大陸・アフリカ大陸…

■要約≪古都≫

今回は川端康成の「古都」を要約していきます。 川端康成はノーベル文学賞を受賞した日本純文学を代表する作家で「雪国」や「伊豆の踊子」等が有名作品です。本作は何度も映像化されている氏の代表作の一つと言われており、「新感覚派」の真骨頂が垣間見える…

■要約≪経済学および課税の原理(上)≫

今回はリカードの代表著作「経済学および課税の原理」を要約していきます。リカードはアダム・スミスと並んで古典派経済学の大家として名を馳せ、「国富論」の理論を昇華させ、比較生産費説など現代に通じる経済理論を体系化した偉人です。 本書は上下巻で構…

■要約≪組織の経済学 Ⅳ部~Ⅴ部≫

今回は「組織の経済学」要約その2となります。 2回目の今回は4部~5部を扱います。 4部は「効率的なインセンティブの提供:契約と所有」について、5部は「雇用:契約・報酬・キャリア」をテーマとしています。企業の内部労働市場の原理を最大限活用し、事業と…

■要約≪伊豆の踊子≫

今回は川端康成の「伊豆の踊子」を要約していきます。 川端康成はノーベル文学賞を受賞した日本純文学を代表する作家で「雪国」や「古都」等が有名作品です。「伊豆の踊子」には「伊豆の踊子」「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」の4作品が収録されています。 ※今…