今回はマーケティングのバイブルとして20年程前に一世を風靡したという「ハイパワー・マーケティング」を要約していきます。実は3年ほど前にも読んだことがあり、面白く読んだ記憶がありましたが当時と経験値や知識が異なるので、見え方が全然変わった本に思えました。
「ハイパワー・マーケティング」
■ジャンル:マーケティング
■読破難易度:低(具体例が豊富です)
■対象者:商売の基本原理について関心がある方・どのように自社製品サービスを拡販するかという基本的な枠組みに関心のある方
【要約】
■基本原理
「顧客」・「頻度」・「購買金額」このいずれかの変数を伸ばすことでしかビジネスは拡大しないという議論の大原則があります。新規顧客の適切な需要を喚起することは難易度が高く、基本的にはリピート顧客の離反防止と深耕による取引増加を目指すのがビジネスの大原則というのが著者の一貫した主張です。
■自社に問うべき問い
・「顧客から自社サービスはどのように認知されているか」・「何を価値と定義しているか」・「目標水準に到達するまでのビジネス拡大はリピート深耕で足りるのか?それとも新規拡販重視なのか?」などの問いを常に立て、自社の製品サービスの方針をアップデートせよということが説かれています。
■差別化
・「自社が掲げる特別さ・差別化はしっかり持続性を持ち、証明できるものでないといけない」とされます。ビジネスの大半はリピート深耕により形成されるのだからこそ、継続需要を喚起する為に、自社の特徴を定義して差別化を形成する行動は常に絶やさないようにすること、組織としては体現する行動を評価する仕組みを設けることが大事と説かれます。
■DMの有用性
・セグメンテーションや競合の数に効果は相関するとされていて、余裕があるないしは逼迫度の高い人は情報収集したがるから効果的になるとされます。
・「自分達が何者であるかを明記し、適切なペルソナ設定やセグメンテーションが出来るか」という力がDMには問われます。
■テレマーケについて
・テレマーケは仕立てが大事とされ、闇雲な連絡は工数だけかかり無駄が多いとされます。
・見込み顧客を動かしたり、ニーズ具現化に使うべきで、適切なセグメンテーションやDM、チャネルによる動機付けを事前にした方が価値がでます。質問の意図を明確にし、適切な命題設定やどのように力になれるかの具現化などの力が求められます。
⇒誰に対して製品やサービスを提供するかにより適切な値付けは異なる、それ故に適切な顧客の選定と売り方がビジネスの可否・効率性を決めるということですね。
【所感】
・リピート顧客の深耕とセグメンテーションの重要性を一貫して説いており、豊富な具体例があるのでわかりやすいです。少し冗長かつ断定的なようにも感じましたが、導入としてはとてもいい本だなーという印象でした。
・計画的にビジネスを拡大させるための原則というのはそこまで複雑ではなく、どんな業界や世界でも共通するものがあると改めて認識させられる内容でした。
以上となります!