雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

■要約≪ビジョナリーカンパニー②≫

 

今回はめちゃくちゃ有名なこちらの本を持ってきました。

 

クライアントの社長様とお話しをした際に「ビジョナリーカンパニー2」を読んで今の会社をつくろうと思ったんだとお伺いする機会があり、

学生時代に学生団体にガチガチにコミットしていた時代ぶりに読み返しました。

※これから自分が所属する組織をもう一段高めていく際のヒントも掴みたいなと思っていました。

 

 

「ビジョナリーカンパニー②」

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■ジャンル:経営戦略・組織論

■読破難易度:中(ページ数はかなり膨大ですが各章の最後にサマリーがあるのでそれを読んでから読めば比較的読みやすいと思います。)

■対象者:会社経営に携わる人・小さな組織を拡大していくタイミングに関わる人

 

 

【 概要 】

普通の企業が偉大な企業に長期間を通じて成しえた要因をひたすら定量的に分析する中で、帰納法的に導き出した法則を体系的にまとめている本です。

 

※ビジョナリ―カンパニーは4冊シリーズがあります。

1は偉大な企業をさらに拡大していくための指針を体系的にまとめていますが、2はその前段階の状態の企業を扱っています。関係性としては2で記載されている法則により1の対象企業が生まれ1の法則が適用されるというイメージです。

 

●偉大な企業というのは軒並み技術の力云々ではなく、まず適切な人材を採用して行動基盤を形成する、そのうえで事業の勝ちパターンを構築→技術の力でその成長角度を上げていくという勝ちパターンを持っているという主題があります。

 

「規律ある人材」「規律ある考え」「規律ある行動」の3部門で構成されています。

 

【 規律ある人材 】

●「誰をバスに乗せるか」というビジョナリ―カンパニー2の中で最も有名な内容の章です。即ち、何をやるのかから入るのではなく、誰とやるのかから入る

(適切な人をバスに乗せる)ことが組織を立ち上げることが大事ということが書かれています。

●何をやるかから入ると事業ドメインが変わった際に社員のモチベーションを形成することが課題になってきますが、人からスタートした場合には社員の帰属意識は高まる&外発的動機付けをすることなく社員自身が意味づけをして行動できるということが書かれています。

 

※いわゆる採用がうまいと呼ばれる会社の採用方針や会社の立ち上がりは軒並みこの考えに紐づいてスタートしているような感覚は個人的にあります。

 

【 規律ある考え 】

●偉大な企業においては社員のモチベーションを上げる行為にそこまで注力しないということが記載されています。即ち、適切な人材を採用すれば仕事を通じて得られる意味報酬により勝手に動機付けはされるものであるということです。

経営サイドは適切な人材のモチベーションがそがれうる要因を取り除くことをするだけということですね。

 

★針鼠の概念★(※自分がこの本で一番好きな概念です)

偉大な企業は3つの方針全てを満たすもののみを事業として扱い注力する。

「自分たちが世界一を目指せるもの」

「自分たちが情熱を持って取り組めるもの(要はやりたいと考えられるもの)」

「経済収益性があるもの(これがないとそもそも事業は存続しない)」

 

地味ではあるのですが、「何をやらないのか・やるのか」をしっかり吟味して現実を直視してコツコツ積み上げることでしか成功はないですということなんだと思います。

 

この概念は会社経営に閉じた話ではなく一個人においても適応できる考えなのではないかと考えています。というのもどの市場であれば戦えるのかということを模索して言語化する作業はまさに仕事において「自分とは何者か」を言語化してオリジナリティーを出すことに等しいからです。

 

【 規律ある行動 】

●何をやるかも大事ですが「やらないこと」を決めることのほうが大事であるということが書かれています。その行動指針を形成するものとして針鼠の概念があるということですね。

あくまで規律ある人材→規律ある考え→規律ある行動の順で考えることが大事なのだということです。多くの企業は規律ある考えから着手しがちだけど、適切な人材と人材観がないとそもそも規範は絵にかいた餅になるよということですね。

 

●個人的に新技術へのかかわり方という項目が非常に新鮮でした、そちらで記載されている内容は要約すると「技術はあくまで事業の成長角度を高める促進剤にすぎず、技術単体での成長はあり得ない」ということです。

新しいものに躍起に飛びついてもそれを活用できないと、アーリーアダプターとしての温床わずかしか受けられず簡単にそのメリットなんてなくなってしまうということなのだと思います。

 

 

※これは仕事をする上でも同じかなと感じるところがありました。最新のものにどうしても飛びつきがちですがそれがどんな意味を持っていて、自分たちの方針にどのように適応させていくかを理解していないと振り回されるだけで本質的には何も前に進んでいないということだと思うので。

 

 

 

【所感】

●アナロジーを働かせると個人の生きざまにも応用できる考え方だよなと改めて認識させられる内容でした。学生時代含め3回読んでいる本なので既知の内容が多かったですが非常に自分の考えを棚卸する材料にはいいのかなと。

●当事者意識の範囲を広げることと中長期の視点で物事を考えられるようにキャパを広げるという2点が最近の自分のテーマに設定をしているのでまさにタイムリーな内容でした。

 

 

 

以上です!!

今回は盛りだくさんになってしまいました。。

 

またお願いします