雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

■要約<イノベーションと企業家精神>

 

学生時代に何回か読んだドラッカーの本ですが、社会人になり改めて読んでみるとその内容の奥深さを実感しました。そこで自分の気づきを言語化することを兼ねて書評を書いてみました。長いので第一部だけで記事を1つ作ります。

 

【エッセンシャル版】イノベーションと企業家精神

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【全体要約】

イノベーションとは新しい利益・価値を創出するための仕組みであり、事業拡大には不可欠であり、イノベーション志向であることは企業の安定性をもたらすという逆説がある。

イノベーションというとアイデア重視といった印象や華々しい印象をあたえがちだが、多くの事例は非常にリスクが高く成功確度も低い。イデアや偶発的なものはスロットやパチンコのような確率論の世界になってしまう。その中でイノベーションを生み出すために再現性の高い方法は7つの機会をとらえることだ。

■継続的にイノベーションを生み出すことのできる企業・人材というのは意外にもリスクを回避し非常に分析的なものである。生み出さないものとの差は機会をとらえて行動に起こし続けられるか・そしてその見立てが精度が高いかだけだ。

■前提としてイノベーションは市場志向でなくてはない。市場に受け入れられるようなアウトプットでなくては発明したもののエゴでしかない。

※一般的な人が活用・知覚できるような仕組みを構築することがいかに大切かということが書かれています。僕はこの項目がいちばん刺さりました。

イノベーションという言葉が一般的に蔓延しているイメージと本来の定義は大幅に違うのだなというのが第一の感想です。そして見栄え重視の華々しいものを追求することは不毛で非常に地味なモノが多くのイノベーションであるという気づきが第二。

【概要】

イノベーションが生まれやすい7つの機会とは下記。

①予期せぬ成功と失敗

⇒たまたまでた成果を要因分析して型化するってことですね。これがいちばんやりやすい。

②ギャップ

⇒本来あるべき姿との差に着目する。課題のようなイメ—ジです。

③ニーズ

⇒市場にニーズがありながら満たされていないものに着目する。

④産業構造の変化

⇒これは②とおなじような原理です。業界やエリアの課題をとらえた打ち手が新規性あり成果が出やすいということで僕には非常になじみがあります。

⑤人口構造の変化

⇒②・④と原理は同じです。大きな変化のうねりが起きそうな機会をとらえましょうということですね。

⑥認識の変化

⇒ある世界では常識と思われているものが別の世界ではタブーとされている、そうした差を活用しましょうということです。

⑦知識

⇒一般的に一番なじみのある知識の活用がいちばん難しい7つの機会のようです。リードタイムが非常に長く複数の知識を掛け合わせて初めてアウトプットになるからみたいですね。(単一の知識だけで出せるイノベーションはもはやもう市場に流通しているからです。)

 

【読んだ感想】

ドラッカーは知識階級の生産性最大化という命題で「マネジメント」と「イノベーションと企業家精神」を書いてようなのですがとことん誰でもできるような型を作り再現性がある、確率が高くなるというように心がけて執筆しているのだなと伝わりました。

※この視点は学生の時に持てなかったので大きな変化を自分に感じました。

長い本なので取り急ぎイノベーションパートだけのまとめとなります。

ドラッカーは読むタイミングによって得るものが変わるから何度も読んだほうがいいとあるRの先輩に言われたことがありますがまさにその通りだなと感じています。

 

よろしくお願いします。