雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

■要約<ウォー・フォー・タレント>

 

これまで、五月雨式に自分が読んで面白いと思った本を簡単にまとめてブログを書いてきましたが思い切って一冊に絞り詳細に書いてみることもしてみようと思い今回のブログを書いています。

 

今回は、こちら。

「ウォー・フォー・タレント 人材育成競争」

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■ジャンル:人事系(採用・育成)

■読破難易度:中

■対象者:人事業務に従事する方・新卒採用/中途採用の人材営業をしている方・組織作りに興味のある方

 

【概要】

1980年代以降、優れた人材を採用・育成し続けられるメカニズムを構築することが事業の競争優位性に直結する時代になっており、そのうえで「企業はどのような人事戦略を取るべきか」を書いております。2002年に書かれている本でやや古めですが、この時代に現代の採用・育成の基本となるような考え方を体系的にまとめているのが素晴らしいと思います。GEやジョンソン&ジョンソンを例に様々な論評がされています。

 

学びの多かった、第四章・第五章については個人的に印象深い内容にフォーカスしてまとめてみます。

 

【第四章】=リクルーティング戦略の再構築=

 

情報産業の勃興と共に人材獲得競争は過熱するようになった。

背景として、生え抜き人材だけでマネジメント層をカバーすることが難しくなり外部からも調達して事業を拡大していくことが世の中的に求められるようになったのがある様子。優秀な人材が労働市場の中で優位に立ちまわることのできる市況に変わったため、厳しい市況感の中で採用優位性を維持できる組織というのはこれまでにないルートやセグメントの採用をチャレンジし続ける組織なのだという

つまり、特定のセグメントだけではなく学部や専攻、エリアを広げてでも最低ラインを担保することで勝ち筋を増やしていくことが大切になるらしいです。

(※このあたりの時代の流れや考え方は当たり前ながらものすごく仕事に参考になる部分があります。)

 

【第五章】=マネジメント人材が育つ組織=

研修教育で育つほど人間は簡単ではない、仕事を通じて人は最も早く成長しますと書かれています。海外で理想の組織作りをしていると評される企業の傾向は下記になるそうです。

■社員がそこで働く意味づけをできるように会社が最大限の配慮をしている。

■やりたいという意志を尊重できるようにたくさんの事業領域とポジションを用意している。

■細かく事業を砕くことで管理者ポジションを増やし裁量権を多くの人に実感できるように作る。

 

ものすごく当たり前の話でよく言われることですし、仕事でもこうしたテーマの話になることは多いですが事実やデータを基にしかもこの時代(2002年)に著されているのがこの本の価値だと思います。

 

 

 

以上となります。

ものすごく人事のテーマに寄り過ぎた書評になってしまいましたが、折に触れて面白いと思った本は1冊だけでブログを定期的にこれからも書いてみようと思います。

 

どうぞ引き続きよろしくお願いします!!