世界史にあまり明るくない僕ですが、教養を深めたいと思い、年末年始に積読であったこの本を読んでみました。世界史ではなく、人類史なんですね。
※今回は上巻だけです。気が向いたら下巻も読んでまとめます。
「サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福」
■ジャンル:歴史系(世界史ではないです、あくまで「人類」史です)
■読破難易度:中~高(世界史に明るい人であればあっさり読めると思います。しっかり内容理解しようと思うと時間かかると思います。)
※ビジネス書大賞2017受賞した本です。アメトークでもカズレーザーが取り上げていましたね。
■対象:人間の発展に興味関心のある方・教養を深めたい方
【概要】
人類の中でも「ホモ・サピエンス」だけが生き残り、その「ホモ・サピエンスはどのような発展を遂げて現代の姿になったのか?」という観点でまとめられている本です。
とにかく客観的に、体系的に記載をしようとする著者の意図がひしひしと伝わってくる本です。「具体的な答えは○○である!!」という論調ではなく、「△△まではわかっているが■■はわからない、見解は分かれるが答えはたどり着かない。」という論調なので安っぽくなく非常にいいなと感じました。※恐らく歴史的知識の有無により文章内容から感じる所が全然変わるだろうなと思います。その意味でこの本はすごい。
具体的にどんなことが書かれているかを抜粋すると
→なぜホモ・サピエンスが生き残り、世界を支配するようになったのかの考察
●言語の開発による情報伝達能力の向上・世界での繁栄(第二章)
→言葉を開発したことにより他の動物にはできない発展を遂げた
●狩猟民族から農耕民族へなぜシフトした?その結果何が生まれた?(第五章)
→このあたりは高校の日本史の教科書等にも書かれているので理解しやすいです。
●農耕が進んだことによる組織化・階層組織の形成(第六章・第七章)
→農耕により資源を貯蓄できるようになり多くの人を養うことができた=人口が増えた、そのことにより起きた人間社会の構造変化
●宗教・階級・人種などの差別の歴史(第八章)
→カテゴライズすることにより人間の知覚コストを減らすという視点は斬新です。
●貨幣が生んだ経済活動(第十章)
→このあたりは経済学部出身なのでなじみがあり改めて読み返すと面白かったです。
●帝国化は悪であるのか??(第十一章)
→帝国は長い歴史において優秀な統治システムであり、偏見で悪であるとする論調には賛同しかねるという著者の客観的見解が印象深かったです。
【所感】
年末年始暇なので何か読んでみようと思って選んだこの本でしたが、タイミングとして正解だったと思います。(※いつもビジネス系の本を休暇は読むんですが仕事と分離した期間なので正直読んでも印象に残らないことが多く自己満足感が強かったので。。今回はあえて全然読まない、読むのに苦労するジャンルという観点で選びました。)
普段使わない頭を駆使しながら読みかえした印象が強く、こういう教養というか視点を入れ替える読書も定期的にしないと40代くらいになったときに何も残らないなと感じました。個人的には内省を促すための読書が一番実りがあると思うので目標実現できた感じです。
以上となります!!
昨年の下期から乱読スタイルから内容濃いめの本をじっくり読むスタイルにシフトしているので読むスピード落ちていますが定期的にまとめていこうと思います。
よろしくお願いします。