雑感

読んで面白かった本を要約しています。主に事業・プロダクト開発(PdM/UXデザイン/マーケティング)のビジネス書と社会科学(経済学/経営学)・人文科学(哲学/歴史学)の古典。

■要約≪MBA組織と人材マネジメント≫

 

今回はずっと手を出そうとしていて読んでいなかったグロービスシリーズをもって来ました。基本概念・理論を一気にインストールして整理することをどこかのタイミングでしたいなーと考えていたので最適の本でした。

 

 

MBA組織と人材マネジメント」

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■ジャンル:人事・マネジメント系

■読破難易度:中

(僕は経済学部出身なのでかなり楽に読めました。大学の専門授業まともに勉強しておいてよかったなと(笑))

■対象者:若手リーダー・マネジメントに興味をお持ちの方

・原理原則を体系的に学びたい方・経済経営について興味関心のある方・人事制度に興味のある方

 

 

 

【要約】

意識高いビジネスマンの登竜門的なグロービスシリーズの1冊です。

「人事制度の成り立ち・人材マネジメント」について歴史的背景と他社事例を基に体系化したものです。

大学の経営学などを学んだことのある方にとっては復習のような位置づけになる本かと思います。(経営学+人事系の基本的な内容を網羅的に示した形かなと。)

 

●第1章 組織の目的

⇒そもそもなぜ組織は構成されるのか?知識労働者の生産性最大化の為ですよね、社会の構成員としての使命を果たすためですよね?といった投げ掛けから論が始まっていきます。

●第2章 組織文化

⇒組織の文化が与える影響、どのように形勢をしていくと組織にポジティブな影響を与えるのかという観点で網羅的に記載されています。暗黙知とされる組織のバリューを言語化することで、アナロジー思考の低いメンバーでも行動指針に基づき行動できるように動機付けを補助すること」が組織運営の急所という一節が印象的です。

●第3章 組織構造

⇒企業規模や対峙する課題により適切な組織体制は常に異なるため常に規定して変更していかないといけないと様々な事例ベースで記載されています。

●第4章 人事システム

⇒人材の生産性最大化こそが競争優位性を生む、そのためのシステムとして①採用・配置②評価③報酬④能力開発の4つの役割があるという。

①④は外注する(マーケットが巨大)②③は内製するというのが大まかな流れ

※ここでの論点は即戦力を戦略に基づいて採用していく方針は時に戦略が変更した時にその人材が不要にならないかという投げ掛けが印象的でした。

⇒新卒採用・中途採用の位置づけ、適切な評価方法・評価体系についての網羅的な事例記載も勉強になります。(ランキング法・クラシフィケーション法・ファクターコンパリソン法etc)と評価方法だけでも様々な学派があるようですね。

●第5章 多様性のマネジメント

⇒人材の流動性が増したことにより対峙する課題の変化、人員構成の変化による多様な価値観を受け入れた採用・組織化が鍵というのが書かれています。2000年代前半に著されているので(派遣・外国籍・契約社員etc)について体系的に見解を示して当時では最新鋭だったのだなと気づかされます。

⇒後半パートはグローバル化による組織の帰属意識をいかにさせるか?海外拠点と本社の統率・すみ分けどうする問題などもあり印象的でした。

●第6章 組織と人材を動かす仕組み

⇒組織の運用と方法論、マネジャーが陥る課題について記載されています。人間は必ずしも合理的には動きませんよ、時に気をつけないと管理職・一部リーダーが現場と距離が離れて孤独になりかねないなど書かれています。

 

 

【所感】

リクルートスリーエムなどが人材マネジメント・制度の成功事例として記載されていて読みやすいです。2000年代に著された本なので少し事例が古い所はありますが、原理原則について理解するには最適かと。

・巻末特集で日本的経営や人事制度・人事の職務範囲・評価制度の歴史的変遷など記載があり教科書的なので便利です。

・21世紀になり顕在化している課題は解決されつくしてきている、「大事なのはそもそもの課題形成であったり組織構成員のメンバーの動機付けだったりの前工程に変化している。」

即戦力を雇い成果を出すほど人材プールにも余力はないから育成込みで考えないと行けず育成放棄は成果への放棄を意味するという言質が一番印象的ではありました。。

 

マネジメントの視点を持ち、上流工程の仕事のウェイトを増やし成果を最大化できるかが組織と個人の成長角度高めていくよなと改めて認識した次第でした。。

 

以上です!!

よろしくお願いします。