MBAシリーズ2冊目ということでリーダーシップを持ってきました。
自分なりにリーダーシップ・マネジメントに関しては見解を持ち実践していきたい所ではある所存ですが、まずは基本の原理原則を知らないと応用・変化はできませんからね。
「MBA リーダーシップ」
■ジャンル:マネジメント系
■読破難易度:低(大学で経営組織の授業を学んだことのある人には既知の内容ばかりかと。ケーススタディー形式の実践が多いのでかなり読みやすいです。)
■対象者:リーダーシップの基本原理について学びたい方・部下の育成・マネジメントに興味関心のある方
グロービスシリーズの中ではかなり容易に読める内容です。
網羅的に記載しているので少々学問的な観点では物足りなくかんじる人もいるかもですね。
尚、前回の記事はこちらです。これは人事・マネジメントの基本原理をまとめた本です。
【要約】
リーダーシップ理論の変遷~実践編(ケーススタディー中心)の2部構成です。実務観点では正直実践編だけ読むので問題ないと思います。
カリスマ的な先天的な要素が強いというリーダーシップ像から、リーダーシップは後天的に身に付きますよというのが序盤の主張です。1990年代から単純成長をしなくなった経済環境において求められるリーダー像は大きく変容したとのこと。
つまり、トップダウン・カリスマ型から新しいリーダー像が提唱されることになります。
⇒1980年代に到来した新しいリーダーシップ理論、つまりリーダーはメンバーが内発的に仕事ができるようなおぜん立てをすることこそが意味があるという思想。トップダウンと異なり成果が出るまでに時間がかかるが、誰かのためにという想いで仕事をするメンバーを育成できる。
※トップダウンは早いけど時に自己中心的なスタンス形成に起因することもある。
●オーセンティックリーダーシップ論
⇒リーダー自身が尊いリーダー像を体現してそれによりほかのメンバーを啓発していくというもの、リーダーが人生に対して問いを投げ掛け常に成長・正しくあることが求められる。(リクルートのWill・Canを用いたマネジメントに近いかと。)
※リーダーシップというのは世の中のニーズを反映しているものであり、時により必要なものは色濃く変容するのですね。
この理論の確立の後はじゃあリーダーシップはどのように確立されていくものですか?ということが研究論文を基にまとめられています。
氷山モデル(行動が表出しているけどその根底にはスタンス・思考など表出しないけど体現するのに不可欠な要素がある)やリーダーシップの育成体形(ジョブローテーションのような形で水平的なリーダーシップではなく、一気に一気通貫で事業に関わり当事者意識を発揮する経験を持たせて素早く実践することが急所)などビジネス書をよく読むことのある人にはおなじみのテーマが進んでいきます。
第四部以降はリーダーシップをどのように体得していくか・どのようにメンバーに発揮していくかのケーススタディー集になっています。これは読んでみたほうがわかりやすいです、誰かと議論実践できると面白そうです。
【所感】
「経験学習は仮説検証能力・PDCAの量と質に起因する」という主張が印象に特に残りました。
そしてそもそもの仮説を設定する能力というのがメンバーが弱いことが多いから仮説の設計を手伝ってあげないといくら振り返りしてもPDCA回すスピード・力としてはよわいということになるのは考えさせられました。
(自分で設定して振り返るのを常日頃から習慣化していたけど、これは設計してあげないといけないというのは完全に盲点でした。昔の僕は個人の責任・努力範囲と思っていたので。。)
とにかく自分で考えて自分なりに実践して体得せよというマネジメント・育成を受けて成長した僕ですが、それは個人の向き不向きがあり、それをメンバーに強要するのは傲慢だなと反省した次第です。
成長する導線の設計をせずしてメンバーのことをとやかくいう責任はないですし、自分が先導を取って実践していかずして大成はなしえないと思うので。
事業が継続的に成長していくためには組織の中で権限移譲がよどみなく行われ続ける体制を構築することが大切であると思っていて、その為には自らリーダーシップを実践すること・メンバーのオーナーシップの醸成・後世のリーダーシップ開発に責任を持つこと。この3つを全て同時並行で成しえないといけないと思うんですね。最近の自分にとって非常にタイムリーなテーマであり、導線設計できるようになると成長速度は加速するんだろうなと思いましたとさ。
このあたりは別途振り返ってみたいと思いますが今回は以上です!