今回は半期に1回のまとめシリーズです。
早いもので、2018年度から行い通算6回目のシリーズになっていました。
自分なりに取得したい知識分野や、自分に必要な本の類が体系化出来てきたので似たようなテーマ感のものを好んで読んだ印象です。
※過去のまとめはこちら。
≪目次≫
・競争優位の戦略
・戦略策定概論/組織設計概論
・経営者の役割
・途上国の人々との話し方
・日本語の作文技術
・MBAオペレーション戦略
・君主論
「競争優位の戦略」
戦略論の第一人者ポーターの代表作です。
「競争の戦略」は企業の外部を取り巻く競争因子を考察したのに対し、「競争優位の戦略は」企業内部の機能をバリューチェーンという有名なモデルにより分析を行い、どのように業界・市場内部で他社との優位性を形成・維持拡大していくかを説いた本です。
5フォース分析・3Cなど有名な企業分析のフレームワークはありますが、もう少し細かく企業の活動を分析し、それらのフレームワークでもたらされる概念がどのように結合するのかを説いている様は圧巻です。
かなり値が張りますが、企業分析や事業分析に何らかの形で関わる方は絶対読んで損のない内容だと思います。
※過去の要約はこちら。三部構成になっています。
マーケティングの全体感・各論は勿論、マーケティングの視点を基に企業活動をどのように最適化するかというスコープで記述がなされており、この分野はこの1冊読み込めば恐らく十分なのではないかと思えるくらいの網羅性です。
4P・チャネル・セグメンテーション・CRM・国際競争など扱う分野は非常に多岐に渡り、自分の対峙するビジネスや顧客が展開する事業などに当てはまめて思考しながら読んだのでとても納得感のある内容でした。
非常に高価でページ数も多い為、持ち運びに不便な難点はありますがマーケティング分野の本数冊分の価値はあるので費用対効果はかなり高いと思います。
※過去の要約はこちら。八部構成の超大作です。
「戦略策定概論」「組織設計概論」
ロジカルシンキング系の本と戦略論の著名な方の代表作です。
この本は実務応用を意識した戦略策定・組織設計について説いた本で、2冊が対をなす構造になっている本です。硬そうに見えますが、実務を意識して作られている為具体例も豊富で非常に読みやすいです。戦略策定概論はフレームワークの実用法なども記載されており、理論と実践の橋渡しとしてとても役立ちました。
組織設計概論は戦略を具現化するインフラとしての組織設計・2000年前後から一気に改革が起こり、現代のスタンダードになった人事制度や組織制度などの仕組みがわかるので、あらゆる分野の知識が結合されるような読後感のある本でした。
※過去の要約はこちら。
「経営者の役割」
チェスタ・ーバーナードの古典的な書物です。
大学で経営学を学んでいた人なら聞いたことがあるかもしれません。
1930年代に著された非常に古い本で、組織に働く力学や管理者の役割・価値などを説いた本です。実務応用性はないですが、日常的に慣れ親しんだ組織や階層構造がどのような意味を持つのか等について考察がなされており、内容を読み込むことで思考の深みが増す感覚があり面白かったです。
※過去の要約はこちら。
「途上国の人々との話し方」
発展途上国を支援する方が現場で培ったファシリテーションスキルについて論証した本です。国際協力の実情を知る読み物としても面白いです。
メタ認知を促進して内発的動機付けをどのようにするか・相手に対して何を期待して何を期待しないかなど実践知をまとめておりとても勉強になりました。
※過去の要約はこちら。
「日本語の作文技術」
タイトルの通り、日本語の正しい書き方について記述されている本です。
助詞の活用方法・接続詞の使い方など、豊富な事例が基に記述されています。
国語は侮れないという課題意識から基本を学ぼうという考えに至り、読みました。
体系的に学ぶ機会は少ないので非常に参考になる内容が多かったです。
自分は文章がまだまだ美しくないので、発展途上であると思っています。
「MBAオペレーション戦略」
定番のグロービスシリーズです。
戦略起因単独の競争優位は生み出せない現代では、業務遂行能力が競争優位の源泉になるという課題意識の基、CRMやSCMについて考察している本です。
戦略と現場を繋ぎ渡しするという意味でオペレーションはバカにならない分野であり、しっかり体系的に学べたのは良かったなと思いました。
※過去の要約はこちら。
「君主論」
最後はこちら。有名な古典です。
様々な統治体系を事例にしながら、極めて現実的に統治をする方法論・考え方について記述がなされています。理想論ではなく、普通の人のメカニズムをベースにこのようにするべきということを淡々と記述されており非常に勉強になります。
当時としてはとても斬新な内容だったのではないかと思います。
※過去の要約はこちら。
以上の8冊となります。
意図的に、その分野の名著と呼ばれるような一見読みにくい本を時間をかけて読むことで自分の血肉にしようと意識して読んでいた半期でした。全体感として得るものは多かったなという感触があり、徐々に色々な分野の考え方や知識が有機的に結合していく感覚を持てたのでとても楽しかったです。
自分が介在価値を発揮できる範囲と深さは制限つけず、これからも頑張っていこうと思います。
以上となります!